2014年09月08日-09月12日
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北京が自殺予防アプリを開発、3年内にリリースへ

2014年09月10日

 9月10日は、12年目の「世界自殺予防デー」だ。北京市はこのほど、初の「うつ病・自殺予防」セルフサービスプロジェクトをスタートさせた。市民は携帯電話やウェアラブルデバイスなどでセルフサービスプログラムを利用し、アプリを使いうつ病指数を調べ、うつ病に関する脳波・心電などの生理的指標をチェックできるようになる。新京報が伝えた。
◆3年内にアプリ開発へ
 俳優のロビン・ウィリアムズ、翻訳家の孫仲旭などの有名人がうつ病により自殺し、うつ病という「心の風邪」に対する注目度が高まった。北京心理危機研究・干渉センター、北京回竜観病院が明らかにした情報によると、北京は初のうつ病・自殺予防セルフサービスプロジェクトをスタートさせた。
 同プロジェクトは、市民のうつ病に対する認識を深め、受診率を高めることを目的としており、同時にうつ病患者の疾患管理能力を高める。同プロジェクトはスマートフォン用アプリという形式により、市民に健康情報、うつ病診断、オンラインセルフ治療、オンライン問い合せ、オンライン受診手続き、心理危機対応、うつ病治療・回復の全過程の管理など、さまざまなセルフサービスを提供する。
 北京回竜観病院の楊甫徳院長は、「同プロジェクトは、2-3年内に完了する。市民はモバイル端末により、権威ある心理・情緒・認識・能力・性格の評価を受けられるようになる」と説明した。
◆アプリ開発の理由は?
 楊院長は、「現在うつ病の最も効果的な治療法となっているのは薬物治療で、これに物理・心理的な治療を合わせている。迅速に危機に干渉し、全過程の総合的な治療を実現する。しかし市民のうつ病に対する認識には、まだ一定の誤解がある。うつ病を恥ずかしく思ったり、うつ病だと思ってもどうして良いか分からないことがある。『セルフ設備』は、うつ病患者がサービスの内容を理解し、常に役立つ指導を受けられるようにする」と述べた。
 スマートフォンの普及、ウェアラブルデバイスや健康関連アプリの開発・普及に伴い、うつ病に干渉する「セルフシステム」が実現の条件を備えている。
◆セルフ設備、使い方は?
 セルフプログラムが、「心のチキンスープ」のような、心温まる感動物語の垂れ流しに成り下がる可能性はないだろうか?楊院長は、「患者や進行状況に応じた指導が必要になる」と指摘した。
 楊院長の構想によると、セルフ設備はまず、医師の情報、診断・治療手段、受診手続きなどの知識を提供する。利用者は、自らうつ病指数を調べることができる。セルフプログラムはうつ病や不安に関連する生理的指標をチェックし、ストレスを解消する手段、例えば音楽や、人工スマートロボットとのチャットなどを提供する。しかし楊院長は、「セルフサービスは病院での受診の代わりにすることはできない。効果がなければ、病院で受診するべきだ」と述べた。

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