2014年10月06日-10月10日
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紫禁城内部の発掘調査、頭蓋骨を使った仏具が発見

2014年10月15日

 北京・故宮博物院の設立89周年を迎えた今年、紫禁城内部で初の発掘調査が実施された。この発掘調査では、初めて博物院内から御窯磁器が集中的に埋められた穴が発見され、故宮内部の磁器の廃棄管理制度の空白が埋められた。また慈寧宮花園の赤い壁の外からも、古文書に記録されていない13層の版築が見つかった。大連日報が伝えた。
 故宮の考古学者は現代になり舗装された壁沿いの地面を掘り、土の上にある壁の基礎と 壁体の構造を把握した。院内で発見された御窯磁器が集中的に埋められた穴からは、チベット仏教の仏具である「ガバラ碗」の断片が見つかった。ガバラ碗は人の頭蓋骨で作られた、灌頂の儀式に用いられる仏具だ。ガバラ碗は修行を積んだ僧の頭蓋骨を使う必要があるが、一般的には高僧の生前の遺言によって遺体から取り外される。
 ガバラ碗は金・銀・銅などの金属によって包まれる。ガバラ碗には美しい図案が施され、観賞の価値が高く希少価値が高い。今回発見されたガバラ碗は銀を下地とし金の彫刻が施されており、蓋・碗・受け皿に分かれている。火炎の形をした蓋のつまみには宝石がはめられ、4本の枝の模様がつまみを囲んでいる。蓋にはさらに縁起の良い「輪、螺、傘、蓋、花、罐、魚、長」の字が刻まれている。

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