2014年10月06日-10月10日
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極地観測船「雪竜号」、第31次南極科学観測を間もなく開始

2014年10月17日

 16日に開かれた2014年中国極地科学学術年次総会において、中国国家海洋局極地観測弁公室副室長の秦為稼氏は、「雪竜号は10月30日に上海を出発し、中国第31次南極科学観測の任務を遂行する」と表明した。中国科学報が伝えた。
 秦氏は、「観測隊は今回、南極の崑崙基地で氷床コア掘削作業を実施する。崑崙基地の位置するアイスドームA地区は、南極氷床最高点付近に位置する。氷床の変化が最も小さいことから、同地区は世界的に認められた、南極の最も理想的な氷床コア堀削地点となっている。南極の氷床コアは太古の時代の大気の構造をそのまま記録しており、貴重な古代の気候・環境に関する情報を留めている。順調に進めば、約500メートルの氷床コアが得られるはずだ。新設備でこれほど深く堀削するのは今回が初めてだ」と説明した。
 秦氏は、「南極の内陸部の観測の他に、雪竜号はロス海の『Inexpressible Island』に向かい、南極基地の新設先を選ぶため7日間の調査を実施する」と語った。
 科学者はプリッツ湾などの海域でブイを回収し、物理海洋、海洋地質、海洋地球物理、海洋化学、海洋生物などの総合的な調査を実施する。秦氏は、「今回の南極観測は、南極・北極環境総合観測プロジェクトを実施してから3回目の航行となり、南極周辺の海洋環境、気候的特徴とその変化の法則を調べる。極地の海水・海氷、大気の相互作用、その世界と中国の気候変動に対する影響に関する理解を促進し、大量の最新資料を収集する」と語った。

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