2014年10月20日-10月24日
トップ  > 科学技術ニュース>  2014年10月20日-10月24日 >  文昌衛星発射センター、月探査プロジェクト第3期を担当

文昌衛星発射センター、月探査プロジェクト第3期を担当

2014年10月27日

 中国が独自開発した月面探査プロジェクト第3期の再突入・帰還飛行試験機が24日、西昌衛星発射センターから打ち上げられた。西昌衛星発射センター・チーフエンジニアの陶鐘山氏は26日、「海南省の文昌衛星発射センターは将来的に、地球同期軌道衛星、大型宇宙ステーション、物資補給船、月探査プロジェクト第3期、大型極軌道衛星などの打ち上げ任務を遂行するほか、外国に打ち上げサービスを提供する」と表明した。新華社が伝えた。
 陶氏は、「文昌発射センターは中国の宇宙事業の未来の発展に順応し、中国の次世代ロケットおよび新型宇宙船の打ち上げ任務を遂行するため建設された」と語った。
 既存の酒泉、西昌、太原の発射センターと比べ、文昌発射センターには次の3つの特長がある。
(一)中国初の海沿いの発射センターで、港沿いにあるため輸送が便利だ。ロケットは海上から輸送可能。ロケットの直径は鉄道・橋・トンネルの制限を受けず、ロケット設計の潜在力をさらに引き出せる。
(二)低緯度で、発射効率が高い。西昌衛星発射センターは北緯約28度、文昌は北緯約18度。同じロケットでも、ペイロードを10%拡大できる。
(三)発射幅が広く、安全性が優れている。東と南の1000キロの範囲内はすべて海域で、発射・着陸の安全性が高い。また無毒・無汚染のロケット推進剤を採用し、グリーン・環境保護の要求を満たす。
 陶氏は、「文昌発射センターは2009年に建設を開始し、2つの発射場を持つ。現在は発射センターのソフト・ハードの建設に全力を尽くしている。正式な稼働後、同センターは中国の宇宙機打ち上げの総合力を大幅に強化する。酒泉、西昌、太原、文昌の4大発射センターがそれぞれ分業し、相互補完する。月探査プロジェクト第3期を遂行する主要探査機の嫦娥5号は、2017年頃に文昌衛星発射センターから打ち上げられる予定だ」と語った。
 中国初の宇宙飛行士、有人宇宙プロジェクト弁公室副室長の楊利偉氏は、「計画によると、中国は2016年頃に宇宙ステーション実験機の天宮2号を打ち上げ、その後さらに有人宇宙船の神舟11号、貨物輸送舟の天舟1号を打ち上げ、ドッキングさせる。2018年頃に宇宙ステーションの核心モジュールを打ち上げ、試験を実施し、2022年頃に宇宙ステーションの建設作業を完了する」と説明した。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます