2014年11月17日-11月21日
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中国人科学者、量子暗号鍵配布システムの安全な通信距離を更新

2014年11月17日

 中国人科学者が創造した安全な量子情報通信が、世界記録を樹立した。ハッカーの攻撃に耐えうる長距離量子暗号鍵配布システムの安全な通信距離が、200キロまで延長されたのだ。この成果は中国科学技術大学の潘建偉教授、張強氏、陳騰雲氏、および中国科学院上海ミクロシステム研究所、清華大学の科学者の研究によるもの。関連論文はこのほど出版された、国際的に権威ある物理学専門誌「フィジカル・レビュー・レターズ」に掲載された。人民日報が伝えた。
 量子情報通信とは、量子もつれを利用し情報を伝達する新しい通信方法で、量子暗号鍵配布は安全情報の暗号化に、理論上絶対に安全なソリューションプランを提供する。しかし現実的なシステムの設備は理論・仮説の条件を満たせず、この欠陥が各種の安全問題になりうる。
 潘教授の研究チームは2013年に、カナダの研究チームとそれぞれ初となる実験を行い、測量装置と関連しない量子暗号鍵配付を実現し、システムに対するあらゆる攻撃を解消した。しかし当時、この先進的な実験の情報伝達距離はわずか50キロほどで、同技術の広域量子通信ネットワークでの実用化を妨げていた。

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