2014年11月24日-11月28日
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陝西省の唐代壁画墓、巨大な山水画が発見

2014年11月25日

 陝西省考古研究院が発表した情報によると、西安市から南の郊外で今年3月より、5つの中庭を持つ唐代壁画墓の発掘調査が進められてきた。この墓から発見された巨大な山水画は、これまでに唐代の墳墓で発見されたうち最大規模の、保存状態が最も良好な山水画だ。光明日報が伝えた。
 発掘調査を担当する陝西省考古研究院副研究員の劉呆運氏は、「発掘調査により発見された墓道、通路、中庭の一部の壁に、石灰の層と赤い木の構造の痕跡が見られた。鶏、アヒル、牛、馬、ラクダなどの陶器製の文化財が140点以上見つかった。驚くべきは墓室内にびっしりと描かれた壁画だ。レンガ積みの部屋の内壁を石灰で塗ることで、古代の画家は天井部分に太陽・月・星を描いた。西の壁側の棺の南北両側には、巨大で美しい朱雀と玄武が描かれており、棺の西の壁側には屏風型の6枚の高士図(高士は人格の高潔な人)が描かれている。北の壁に描かれている玄武の東側には巨大な山水画があり、墓室の出口と向き合っている。東の壁全体に楽隊が描かれ、男性の少数民族の楽隊と女性の唐の楽隊が踊り、墓室の主人に演技を披露している」と語った。
 専門家は、「墓室の壁画の内容は極めて貴重であり、男女の楽隊が舞を競うような趣がある。また巨大な太陽や山水画などは、中国古代の芸術文化、審美感の発展と変化、シルクロードの文化交流などの研究にとって重要な意義を持つ。この壁画は中国の山水画の歴史を、人々に知られている宋代から唐代に繰り上げた。宋代以前の場合、山水は人より小さく描かれる詩的な趣を添えるものだったが、この山水画を見ると完全に写実的な風格を備えている」と評価した。

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