2014年11月24日-11月28日
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中国の高速鉄道、コア技術把握で100%国産化を実現

2014年11月27日

 中国の高速鉄道の総延長は1万4620キロに達する。中国は高速鉄道の総延長が最長で、運行速度が最速の国だ。これは中国の高速鉄道技術の飛躍的な進歩によるものだ。中国鉄道車両大手の中国南車と中国北車は11月、高速鉄道のコア技術を把握したことを発表し、世界の先頭集団に立った。中国の高速鉄道は海外での建設請負契約、提携意向書の締結が進んでいるが、今回の進展は海外進出を力強く後押しするだろう。人民日報が伝えた。
◆「高速鉄道の心」、「高速鉄道の脳」を創造
 11月25日、中国製の電力牽引駆動システムとネットワークコントロールシステムを搭載した中国北車の高速列車「CRH5A」は、「5000キロ本線試験」の最終段階に入った。同列車は完全な自主化を実現した両システムを搭載した初の高速列車で、中国の高速鉄道コア技術が「国産化」から「自主化」への移行を実現しつつあることを示した。
 中国北車の関係者は、「両システムは高速列車の最も重要な部分だ」と述べた。電力牽引駆動システムは「高速鉄道の心臓」、列車の動力源で、高速鉄道の高性能かつ快適な運行を左右する。ネットワークコントロールシステムは「高速鉄道の脳」で、列車の一挙手一投足を決定・指示する。この2大コア技術の自主開発は、高速列車製造メーカーの革新的な創造力を示す根本的な指標となる。
 中国北車の両システムの自主革新は、「高速列車コア技術の自主革新・研究深化プロジェクト」の一部だ。
◆3.0版の「高速鉄道の動力」
 中国南車株洲電力機車研究所は11月4日、3.0版「高速鉄道の動力」、高速列車用永久磁石同期牽引システムが国家鉄道検測・試験センターの地上試験・審査に合格し、間もなく高速列車に搭載されることになったと発表した。これは中国がドイツ、日本、フランスなどの国に続き、同技術を把握した世界でも少数の国になったことを意味する。同研究所の馮江華副総経理は、「同システムの最大の見所は、当社が独自に開発したJD188型大パワー永久磁石同期牽引モーターだ。このモーターの設計上の動力は690kWに達し、国内の軌道交通業界では最大の動力を持つ永久磁石同期牽引モーターだ。同モーターは緩やかな速度調整、高効率、小型・軽量、低騒音、高信頼性などのさまざまな特長を持つ。永久磁石駆動の同期牽引モーターは伝統的な非同期モーターと比べ、省エネ性能が10%以上高い」と説明した。

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