2014年12月29日-12月31日
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有人潜水艇「蛟竜号」、硫化物の「煙突」を収集

2014年12月30日

 有人潜水艇「蛟竜号」は26日、南西インド洋で第88回潜水調査を終えた。これは蛟竜号がインド洋で初めて実施した科学応用潜水で、硫化物が海底に沈積してできた「煙突」の破片、岩石・鉱物のサンプルを20キロ収集した。新華社が伝えた。
 硫化物の煙突は「黒い煙突」とも呼ばれる。これは海水が地殻の隙間から地下に浸透し、マグマによって加熱され、周囲の岩層に含まれる金・銀・銅・亜鉛・鉛などの金属 を融解し、地下から噴出したものだ。これらの金属の化学反応によって形成された硫化物が付近の海底に沈積し、煙突状に積み上がる。硫化物の「煙突」は、海底鉱産物として日増しに注目を集めている。
 今回の潜水調査では、国家深海基地管理センターの潜水士である唐嘉陵氏が操縦を担当し、上海交通大学教授の肖湘氏、国家深海基地管理センターのエンジニアの張同偉氏が乗船した。潜水調査中に潜水艇システムの状態の点検を実施し、測深・サイドスキャンシステムの点検を完了し、非活動硫化物エリアの調査を終え、同エリア内で海底の温度を測定し、溶存酸素量の測量、サンプル収集を実施した。硫化物の「煙突」の破片、岩石・鉱産物のサンプルを20キロ収集し、かつ広範囲の環境データ測定、海底付近の海水の収集を実施した。

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