2015年01月05日-01月09日
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月探査プロジェクト、試験機が月周回軌道に

2015年01月12日

 北京宇宙飛行制御センターが11日に発表した情報によると、同センターの科学者は同日午前3時頃、中国の月探査プロジェクト第3期再突入・帰還飛行試験機サービスモジュールの近月点での制動操作に成功した。同モジュールは近月点約200キロ、遠月点約5300キロの1周約8時間の月周回軌道に入り、2017年打ち上げ予定の月探査機・嫦娥5号の任務のために、軌道上での検証・試験を続けている。科技日報が伝えた。
 月探査プロジェクト制御システム副チーフデザイナー、同センターチーフエンジニアの周建亮氏は、「今回の制動操作の目的は、地球と月のラグランジュ点(L2点)から月に移動したサービスモジュールの、月に向かう速度を制御することで月周回飛行を実現することだ。サービスモジュールを目標の月周回軌道に投入するため、大きな制動が必要になり、3回に分けて完了しなければならない。本日の最初の制動が最も重要で、近月点を飛び越える一度の機会に正確にブレーキを掛ける必要があった。このタイミングを逃せば、サービスモジュールは深宇宙に向かうところだった」と述べた。
 同センターは12日と13日の未明にも2回連続で近月点での制動操作を行い、サービスモジュールを高度約200キロ、1周約127分の月周回軌道に乗せる予定だ。その後サービスモジュールはこの月周回軌道上で試験を実施し、嫦娥5号の任務で重要になる飛行制御技術に向けた試験・検証を行う。
 サービスモジュールの各種試験をスムーズに実施するため、同センターの飛行機管理室は追加任務全体の飛行制御全体技術プランを作成し、2カ月以上に渡る持続的な測量・追跡、厳密な観測、精密な軌道計算を行い、10数回の軌道調整と地球・月の撮影を実施した。この期間中、科学者が開発した故障スマート警報技術、軌道総合応用保障プラットフォームが重要な力を発揮した。サービスモジュールのエネルギー供給はバランスが良く、状態も良好で、地上からの制御信号を適時キャッチしており、安定的に追跡している。その飛行制御およびデータ受信は正常で、各種試験を順調に進めている。

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