2015年01月12日-01月16日
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中国の潜水士、水深330メートルの飽和潜水に成功

2015年01月21日

 20日午前、4人の潜水士が減圧を終え、順番に船内から出てきた。潜水士の健康状態は良好。中国海軍北海艦隊レスキュー隊は南中国海の海域で、水深300メートル級の飽和潜水特別試験を実施し、水深330.2メートルの飽和潜水で国内新記録を樹立した。人民日報が伝えた。
 飽和潜水とは、潜水士が自ら深海に潜り、海底の高圧に耐えながら作業を行うことを指す。レスキュー隊の劉傑隊長によると、300メートルは世界の圧倒的多数の潜水艦にとって極限となる水深だ。この水深での効率的な潜水作業が実現すれば、沈没船の引き揚げ、水中の施工、海洋資源調査・開発などの作業能力の向上、潜水医学の進歩の促進にとって重要な意義がある。
 飽和潜水試験は、1月4日午後1時26分に開始された。レスキュー隊の徐暁氏、高傑氏、張恒銀氏、李勇氏ら4人の潜水士は、水深300メートルで31気圧に耐えなければならなかった。これは1平方メートル当たり数万キロの負荷に相当する。そのうち3人は海底を巡視しなければならなかった。専門家は、「この負荷によって、潜水士のすべての細胞が圧力を受けることになる」と指摘した。
 試験中、潜水士は呼吸困難、関節の痛みを覚え、徐々に味覚が失われていった。徐氏は、「全身が真空パックの食品のようになった」と語った。李氏は、「水中は寒く、新型の温水潜水服を着用していたが、あれほどの低温には耐えられなかった。体力も消耗した」と話した。

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