2015年02月02日-02月06日
トップ  > 科学技術ニュース>  2015年02月02日-02月06日 >  中国、金箔の白酒への添加を検討

中国、金箔の白酒への添加を検討

2015年02月05日

 国家衛生・計画出産委員会はこのほど、金箔を食品添加物として白酒に使用することについて、社会から意見を募った。なぜ金箔を入れるのだろうか?金箔を食品に用いることができるのだろうか?金を食べても健康は損なわれないのだろうか?中国科学報が伝えた。
 科信食品・栄養情報交流センターの阮光鋒副センター長は、「金属の金を添加物として食品に用いることは、何も珍しいことではない。FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会が70−80年代に実施した調査結果を見ると、少量の金がすでに食品に使用されており、食品添加物として分類されていることが分かる。用途は食用色素だ」と述べた。
 阮副センター長は、「使用範囲は狭く、使用量も少ない。食品添加物専門家委員会は、金に危険性はなく、安全値を設定する必要はないとしている」と指摘した。中国工程院院士の孫宝国氏も、金箔は日本でも酒に使用されており、先例があると述べた。それでは、金箔を白酒に用いても安全なのだろうか?
 阮副センター長によると、純金が無毒なことは現代医学によって証明されており、純金を飲み込んでも中毒死することはない。古代中国には金を飲んで自尽するということわざがあるが、これは金製品を丸呑みすることで消化器系が損傷を受け、出血などの併発症が生じるためで、一般的には大量の金を呑み込まなければならない。
 中国工程院院士の陳君石氏は、「金は安定性が高く、人体内で消化されることも、反応が生じることもない。金には栄養価や味がない。金箔を食べても、体内に蓄積されることはなく、そのまま排出される」と話した。
金箔を色素として使用するというならば、金箔の代わりになる色素が存在しないのだろうか?
 阮副センター長は、「代替品となる色素を見つけられるはずだが、色素を金箔の代替品とするためには許可が必要で、さらに新たな食品添加物を追加しなければならない。実際には、非常に複雑な科学的検証を踏まえる必要がある。現在は意見募集の段階であり、許可をするかは社会各界の反応を見る必要があり、現時点ではまだ不明だ」と語った。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます