2015年04月01日-04月03日
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広東省の高校生、障害者専用マウスを発明

2015年04月01日

 健常者はマウスを使いネットサーフィンを楽しんでいる時に、障害者がどのようにネットを利用するのだろうかとは余り考えない。しかし広東省中山市濠頭中学(中国の中学は、 日本の中高に相当)の高校2年3組の湯仲燦さんはこの問題に気付き、手が不自由な障害者でも気軽にマウスを使いネットサーフィンを楽しめるようにしようと思い立った。
 湯さんは発明のきっかけについて、障害者が自力でネットショップを開業したテレビ番組が印象的だったと語った。番組の主人公は手がないため、あごでパソコンとキーボードを操作する必要があり、とても苦しそうだったという。湯さんはその画面から衝撃を受け、障害者の使用に適したマウスを作れないものかと考えた。
 湯さんは、「腕の太さに合わせて作った半円形の台(サイズの調節が可能)に腕を置き、左右に揺らすことで、右クリックと左クリックができる。義肢表面の摩擦力を利用し、マウスを腕の動きに合わせて上下左右に動かすことで、カーソルを動かせる」と述べた。湯さんは事前にこの構想を練り、材料を購入し、制作と改造を行った。
 健常者が使うマウスに半円形の台を固定し、義肢をその上に置く。また台の下に左右二つの支点を設置し、右クリックと左クリックに使う。後方には回路とつながる支点があり、マウスのスクロール機能を実現できる。
 障害者のうち、腕が無い人が特に多い。指の操作が可能な義手は高額で、かつ柔軟性も低く、ダブルクリックができない。湯さんが設計しさらなる改善を経たマウスならば、障害者でも簡単に右クリック・左クリックし、マウスを動かすことができる。

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