2015年04月13日-04月17日
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国産脳ペースメーカー、患者の負担を軽減

2015年04月13日

 4月11日は「世界パーキンソン病の日」だ。11日に北京で開かれた第4回清華脳ペースメーカーフォーラムで発表された情報によると、中国が独自開発した清華脳ペースメーカーは海外製品による独占を打破し、1600人の患者に福音をもたらし、治療費を1人当たり10万元以上(約190万円)削減した。科技日報が伝えた。
 脳ペースメーカーによるパーキンソン病の治療は、20世紀末の脳科学研究の重要な成果であり、医学上は「脳深部刺激療装置」と呼ばれている。慢性刺激電極を大脳の特定の部位に植え込み、電気の刺激によりパーキンソン病を治療する。脳組織を損なうこともなければ、その後の新たな治療方法を妨げることもない。世界では10万人以上の患者が同装置を植え込んでいる。
 同装置は植え込み式能動型医療機器というハイエンド医療機器であり、技術的・工学的な難度が高い。中国科学技術部(省)や北京市などの支援を受け、清華大学航天航空学院教授、神経調控技術国家工程実験室主任の李路明氏は、電子・ソフト・材料・製造・基礎医学・臨床医学などを含む学際的なチームをつくり、有人宇宙飛行技術を脳ペースメーカーの研究開発に応用した。脳ペースメーカーのシリーズ製品の開発に成功し、輸入製品による独占を打破した。清華脳ペースメーカーの市場シェアは現時点で4割弱に達しており、ハイエンド医療機器の国産化の成功例となった。

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