2015年04月27日-04月30日
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上交会 長時間座っても疲れない列車用座席が登場

2015年04月28日

 このほど開催された中国(上海)国際技術輸出入交易会(上交会)の会場で、シニアエンジニアの戴貴柱氏が発明した列車用の座席が注目を集めた。「来場者は争うようにして私の発明した座席に座っていた。座ると実に快適だ」。1950年代生まれの戴氏は、1987年に列車に乗った際に苦労した経験から、「長時間座っても疲れない座席」を発明しようという考えが生まれたという。
戴氏は、「列車の座席と背もたれは固定されており、長く座るため適切な角度ではない。これは列車に乗る時の最大の弊害だ。私は当初、座席を前にスライドできるようデザインした。こうすれば脊柱を快適な角度に調整できる」と述べた。戴氏は1988年に国家特許を出願し、1994年1月にこの座席の発明特許を正式に取得した。
 しかし戴氏の発明はこれに留まらなかった。「高齢者が座るロッキングチェアを見て閃いた」という戴氏は8年後のある日、座席の台座を下に落とすことで快適性をより高めることを思いついた。「一般的な座席は、背もたれの角度を後ろに調整するが、私はこれを下向きにした。こうすることで角度をつけられ、スペースを省くことができる。力学的に分析すると、特定の角度により二方向の力が相殺されるため、長時間座っていても疲れない」と説明した。
 戴氏は発明した製品を携え、列車・客車製造メーカーと交渉した。戴氏は「上交会」の場を通じて、この製品の実用化を目指している。

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