2015年05月01日-05月01日
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中国人研究者、高品質の水素化石油樹脂を生産

2015年05月06日

 河北啓明化工科技有限公司の石油樹脂生産ラインにおいて、高品質のC9水素化石油樹脂が生産された。これは、中国初の連続接触水素化による年産1万トン級水素化石油樹脂生産装置が、正式に稼働開始したことを意味する。同装置は中国のC9水素化石油樹脂、C5・C9水素化共重合体石油樹脂産業の空白を埋めた。科技日報が伝えた。
 水素化石油樹脂にはC5とC9がある。中国はC5水素化石油樹脂の大規模生産を実現しているが、技術が複雑で条件の厳しい、より広い用途を持つC9水素化石油樹脂に関しては、実用化技術が備わっていない。ホットメルト・感圧性などの接着剤に不可欠なC9水素化石油樹脂は、衛生用品、食品包装、書籍の装丁などの業界に幅広く活用されているが、輸入に依存している。
 大連理工大学教授の梁長海氏は、「C9水素化石油樹脂を生産する上で重要なのは水素化で、水素化触媒がその中で極めて重要な役割を担う。ゆえに高効率触媒の開発が、問題解消の鍵となっている」と述べた。梁氏と研究チームは長い年月を費やし、高活性で耐毒性を持つ水素化触媒および水素化技術を開発した。これによって生産されたC9水素化石油樹脂の品質は、国内に輸入されている製品を大きく上回った。梁氏はさらに触媒の水素化による石油樹脂の生産を重要技術とし、天津大学の許春健氏の研究チームと協力し工業化体制を整えた。生産高は年間約2億2000万元(1元は約19.33円)に、C9水素化石油樹脂およびC5・9水素化共重合体石油樹脂の年産は2万トンに達する見通しだ。

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