2015年05月04日-05月08日
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四川省で南宋の墓が発見、四神獣の彫刻や排水溝も

2015年05月12日

 墓室内が彫刻と絵画で彩られ、屈強な兵士の「門番」と、青龍・白虎・玄武・朱雀の「四神獣」に守られている――。四川省考古調査隊はこのほど、広安市隣水県の建設現場で、このような「威風堂々」とした大掛かりな墓を2基発見した。考古学者によると、この石の墓室は唐と宋の時代に中国南方でよく見られた墓の形式だ。しかし墓室の大きさ、室内彫刻の華麗さからは、墓主が長者か身分の高い人だったことが分かる。
 考古調査隊の劉化石副隊長によると、この2基の墓室は高さ2.6メートルで、巨大な細長の石を積み上げてできている。今から800年以上前のものだが、依然として頑丈だ。墓室の両側の門柱には、兜をかぶり鎧を着て槍を持った兵士の浮彫りがある。墓室の幅は1.4メートル、奥行きは3メートル。
 この古い墓室にはなぜ兵士、四神獣、邸宅が彫られていたのだろうか?劉副隊長によると、こうした風習は当時の人々の死後の生活に対する願いを反映している。色鮮やかな「邸宅」には、死後の豊かな生活に対する期待が込められている。四神獣には邪を祓い、災いを取り除き、人と神の意思疎通を図る機能がある。四神獣には他にも巫術的な性質があり、死後に天界に昇るための案内人・保護者になる。十二支、雲、山河、草花は、いずれも吉祥の意味を持つ。
 また当時の墓の建設者は、墓室中央の台の四方に、排水溝を設置していた。墓室にたまった水はこの溝、門の敷居の穴、門の外の溝をつたい流れ出る。そのためこの墓室は地下にあっても、門を開くと中は乾燥し快適な環境だ。

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