2015年06月08日-06月12日
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異質遺伝子造血幹細胞移植、中国で初成功

2015年06月11日

 天津市腫瘍病院は児童のホジキンリンパ腫の治療で、このほど画期的な進展を実現した。同病院は「骨髄破壊的異質遺伝子造血幹細胞移植技術」を利用し、ホジキンリンパ腫を再発した児童を救った。このような治療例は国内で報告されておらず、血液腫瘍の治療の新たな道を切り開いた。科技日報が伝えた。
 同病院は患者の姉の幹細胞から適合する型を選び、患者の骨髄破壊的予備処理計画を立てた。強力な化学治療により予備処理を行い、抗腫瘍薬を加えることで、ドナーの造血幹細胞が順調に移植されるという前提を保証した上で、体内に残存する腫瘍細胞を最大限に除去し、再発率を引き下げた。幹細胞ドーピングの過程において、骨髄幹細胞と末梢血幹細胞を組み合わせることで、造血幹細胞をスムーズに移植し、副作用の可能性を最大限に引き下げた。
 約1ヶ月の行き届いた治療により、患者は骨髄破壊予備処理、造血幹細胞ドーピング、副作用防止という3つの難関を突破し、異質遺伝子造血幹細胞移植が成功した。さらに2ヶ月余りの観察と治療により、患者はすでに順調に骨髄抑制期間を乗り切り、深刻な感染や出血も生じていない。白血球が正常レベルに戻り、免疫力と造血機能を取り戻し、治療が成功した。

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