2015年06月22日-06月26日
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北京、ジャガイモ粉で作った蒸しパンの販売が開始

2015年06月24日

 中国農業科学院農産品加工研究所が開発したジャガイモの粉で作られた饅頭(中国式蒸しパン)が今月初めから北京のスーパーで販売されている。開発に当たり、同研究所は2年かけて数十回の試験を行い、1万2000個以上のサンプルが作られた。原料の割合は、ジャガイモ粉30%、小麦粉70%だ。新京報が報じた。
 ジャガイモ饅頭の値段は一袋(3個入り)で5.8元(約120円)と、小麦粉だけで作った饅頭の約2倍。小麦粉だけで作った饅頭と比べると、少し黄色く、食べた感じも少しかたい。同饅頭を食べたというある市民によると、「味はまあまあで、ジャガイモの味はほとんど感じない」という。製造している「海楽達食品」によると、「普及するのに一定の時間が必要であるため、しばらくは1日1トンほどの生産に抑え、主に北京の『物美』や『京客隆』、『超市発』などのスーパー約100店で販売される」。
配合には開発者のこだわりが
 ジャガイモ粉30%という配合について、同研究所の研究員木泰華氏は、「生産や栄養素、コストなどと関係がある。ジャガイモ粉が多すぎると、成型が難しく、ひびが入る可能性もあり、舌触りも悪くなる。一方、20%以下になると、科学技術の要素がなくなる。研究では、30%にすると、ミネラルやビタミン、タンパク質などの栄養素のバランスがよくなることが分かった」と説明した。
ジャガイモパンやケーキなども商品化へ
 2013年、中国農業部(省)は、ジャガイモ主食化戦略を開始し、木氏を筆頭とする開発チームがジャガイモを発酵させたさまざまな商品の研究・開発を進めてきた。そして、中国で主食となっている食品を考慮し、最終的に、饅頭やパンの開発に取り組むことが決まった。
 海楽達食品によると、今後は、中国農業科学院院との連携を強化し、ジャガイモの割合を増やした饅頭を段階的に市場に投入する計画。また、ジャガイモ花巻(蒸しパンの一種)やジャガイモ豆包(あんまん)、ジャガイモ棗糕(ナツメケーキ)、ジャガイモケーキなど、ジャガイモシリーズの食品を増やす予定。今後5年以内に、ジャガイモシリーズの主食商品8-10種類、スイーツ10-15種類を開発するという。

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