中国の科学技術企業「聯絡互動信息科技」と米新興企業「Avegant」が6月30日、ヘッドホン型のヘッドマウントディスプレイ(HMD)Glyphを発表した。ディスプレイなどはなく、一見普通のヘッドホンであるGlyphを装着すると、ヘッドホンがモバイルシアターに早変わり。高画質の映画やゲームを楽しむことができる。北京日報が報じた。
グーグルグラスが登場し、ヘッドマウントディスプレイが大きな話題となった。ただ、これまでのヘッドマウントディスプレイは、スマホや相応のディスプレイを顔の前で固定する必要があり、専用のツインディスプレイソフトを使って、左右の目に違う映像を映し出すというものだった。その他、搭載されているレンズを通して、3D映像を見ることもできた。
筆者がGlyphを試着してみると、外観は普通のヘッドホン。重いディスプレイはなく、ヘッドセットを動かして目の前まで持ってくると、ヘッドホンがモバイルシアターに変身した。ヘッドセットには、まるいミラーが付いているだけで、ディスプレイはない。スイッチを入れると、3D映像によるコンサートが始まった。
スクリーンなしで、なぜ映像を見ることができるのだろう?それは、網膜に直接映像を投影する技術が使われているからだ。「聯絡互動信息科技」の何志涛・董事長は、「200万のマイクロミラーや自主開発した光学技術による映像を直接網膜に投影する技術を採用しおり、鮮やかで迫力ある映像が網膜に映し出される。光がユーザーの視線に入ると、映画館で最も理想的な位置である視野角45度で見ている感覚になる」 と説明している。
同社の技術者によると、「電気信号を光に変換し、人間の目に見える像を発生させるブラウン管の原理と似ている。電子銃により、光がガラスのスクリーンに投射される。Glyphには頭部の追跡機能が付いており、脳の動きや方向・位置の変化を感知することができる」という。Glyphは現在、同社の公式サイトで予約することができ、今年の第4四半期(10-12月)に出荷される予定だ。
ただ、ヘッドセットの位置が低く、重みもあるため、体験した人からは、「メガネを支えていなければならない」との不満の声も聞かれた。この点、スタッフらは、「今のところ、主に欧米のユーザーを対象にしており、将来的にアジアのユーザーの顔の形を基に調整を行う予定」と説明していた。