2015年07月13日-07月17日
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中国が迷走神経刺激装置を開発、てんかん治療の新たな手段に

2015年07月15日

 北京天壇病院が2014年8月13日に初の臨床試験・手術に成功して以来、全国の11の病院はこれまでに、中国が独自に開発した迷走神経刺激装置を使い、100人弱のてんかん患者の手術を実施した。術後の調査によって、同製品の安全性・有効性・信頼性が確認された。人民日報が伝えた。
 中国には約900−1000万人のてんかん患者がおり、そのうち約100−150万人が完治が困難な患者だ。効果的な薬物もなく、また病巣の位置を特定できないといった原因により、開頭手術が不可能だ。可逆性を持つ、体外無線制御の治療方法である迷走神経刺激は、彼らにとって最良の選択肢だ。約10年間の臨床上の実践によって、この治療法はてんかんの発作を減らすほか、脳機能を改善することが証明されている。この治療法は開頭手術の必要がなく、安全性が高いことから、臨床上の応用が広がりを見せている。
 中国唯一の国家級神経調節研究機関「神経調控技術国家工程実験室」が、第12次五カ年計画(2011-2015)国家科技支援計画の支援を受けて、国産迷走神経刺激装置の研究開発プロジェクトを担当した。そのうち清華大学が開発を担当し、北京品馳医療設備有限公司が実用化を担当。同実験室主任、清華大学教授の李路明氏によると、彼らが独自に開発した迷走神経刺激装置は小型かつ軽量で、正確な刺激が可能で、使用寿命は10年以上に達する。同装置は2016年上半期に、国家食品薬品監督管理総局が発行する医療機器登録証を取得する見通しだ。

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