2015年07月27日-07月31日
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清華大学、色を調節できるグラフェンLEDを開発

2015年07月31日

 清華大学マイクロ・ナノ電子学部教授の任天令氏が率いる研究チームはこのほど、2種類の異なる形式のグラフェンから新型発光材料を作成した。チームは、グラフェン材料に基づく発光システムによって、一つのLED(発光ダイオード)のみで光の色を調節できることを初めて証明した。ほぼすべての可視光線の色を調節できるという。科技日報が伝えた。
 LEDの色と波長は、発光材料によって決まり、作成された時点で、この二つの属性が確定される。一つのLEDによって光の色を変えるという発想は、現時点では実現が困難だ。任氏の研究チームが開発した、色の調節が可能なグラフェンLEDは、450nmの波長の青い光から、750nmの赤い光までをカバーできる(ダークブルーやバイオレットを除く)。
 LEDの色の調節を実現する重要な材料はグラフェンだ。新材料のグラフェンは、太陽電池や半導体などに使われ、一定の実績を収めている。しかしこれまでグラフェンを利用し作成されていたLED照明は、色の調節を実現していなかった。これは同チームによって今回、初めて現実となった。
 現在のLEDは、伝統的なディスプレイ・照明技術において、赤・緑・青という固定的な3色の発光ユニットの明度を調節することで、色付きの光もしくは白光を作り出している。今回画期的な進展を実現した研究成果は、色の真実性を維持すると同時に、ディスプレイ内の発光ユニットの数を大幅に減らすことで、電気回路を改善しエネルギー消費量を削減することが可能だ。

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