2015年07月27日-07月31日
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新疆・カナス湖付近で、テチス海の海底跡が発見

2015年07月31日

 新疆維吾爾(ウイグル)自治区喀納斯(カナス)風景区管理委員会は7月28日、烏魯木斉(ウルムチ)市で記者会見を開き、カナス湖の流出口から南西に約18キロ離れた地点で、テチス海(約2億年前から、新生代第三紀まで存在していた海洋。古地中海とも言う)の海底跡が見つかったと発表した。中国青年網が伝えた。
 同委員会は6月末に13人の科学調査隊を発足し、「カナス氷河探検」をテーマとする調査活動を実施した。カナス湖の流出口から南西に約18キロ離れた地点で、テチス海の海底跡が見つかった。
 中国科学院寒冷乾燥地域環境工学研究所の副研究員であり、阿爾泰山(アルタイ山脈)氷河積雪・環境観測研究ステーション副ステーション長の王飛騰氏も今回の調査に参加し、テチス海の海底跡の形成について次のように説明した。
 今回発見されたテチス海の海底跡は典型的な海成層に属し、今から約1億年前に形成された。地殻変動、アルタイ山脈の隆起に伴い、特に第四紀に入り氷河が発達すると、氷河が岩石を覆うようになった。温暖化により氷河が縮小すると、多くの海底の沈積岩が氷河の力によって破壊された。しかしこのいくつかの岩石の所在地は特殊で、ちょうど尾根の鞍部に位置していたため、氷河による影響をほとんど受けておらず、保存状態が良好だ。今回の海底跡の発見は、第四紀の氷河およびアルタイ山脈の形成・変化の研究にとって、非常に重要な科学的意義を持つ。

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