2015年08月10日-08月14日
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天文学者、星雲が星雲を呑み込む過程を観測

2015年08月10日

 英エディンバラ大学は4日、中国・日本・英国の天文学者チームが大型望遠鏡を使い、大型の星雲が付近の小型の星雲を呑み込む様子を観測したと発表した。関連データは、星雲の形成に関する研究の一助となる。新華網が伝えた。
 研究者はハワイのマウナケア天文台群のすばる望遠鏡を共同利用し、「M81」と呼ばれる星雲、その付近の2つの小型星雲「M82」、「NGC3077」を観測した。彼らが入手した画像を見ると、これらの星雲の中心となる「M81」が、2つの小型星雲の恒星を引き寄せていることが分かる。「M81」の強い引力を受け、2つの星雲の形状に変化が生じた。天文学者はこの過程を、「潮の満ち引きによる引き裂きの作用」と呼んでいる。研究者は、この2つの星雲が最終的に「M81」に完全に呑み込まれると予想した。
 過去20年間の研究成果によると、この天文学的事件が発生する確率は絶えず上昇しており、今回の観測結果もこの観点を再度裏付けた。この研究は銀河系の構成および進化の過程を理解する上で、非常に重要な意義を持つ。

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