2015年08月17日-08月21日
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砂漠でブドウを栽培、中国科学院が新疆の所得増に貢献

2015年08月18日

 新疆維吾爾(ウイグル)自治区の和田(ホータン)地区は、数千年に渡り「和田玉(ホータンで産出されるヒスイ)」で知られているが、現地人の多くが貧困生活を送っているとは想像しがたいだろう。中国科学院の博士課程の学生と研究員は畑や農家を巡り、「科学技術の光」によって新疆南部の広大な大地を明るく照らした。人民網が伝えた。
◆砂漠でクルミとブドウを栽培、所得が倍増
 ホータン地区の和諧新村とホータン市の団結新村は、昨年砂漠で建設されたばかりの村だ。家屋が砂漠に直接建てられ、農作物が砂漠で直接栽培されている。ホータン地区の旧市街地から和諧新村に引っ越してきた住民は、政府から家屋、庭、ハウス、0.33ヘクタールの土地を分配された。この住民は「砂漠栽培技術」を活用し、所得が倍増した。
◆伝統的な栽培技術に新たな選択肢
 モデルプロジェクトの効果は絶大だ。「田植え技術」は全国各地の稲の栽培で一般的に用いられているが、墨玉県加罕巴格郷阿依瑪克村では「種まき」が採用されている。現地の村民は田植えを理解せず、受け入れようとせず、面倒だと考えている。しかし村民はモデル区に植えられた稲がすくすくと成長しているのを見ると、我慢できず自発的に教えを請いに来た。
 現地の中心的な作物には、稲の他にクルミがある。現地のクルミ畑では一般的に小麦やトウモロコシが植えられてきた。しかし小麦は日照の問題により、生産量が年々減少している。トウモロコシとクルミは、互いに悪影響を及ぼしている。クルミの木の下に作物を植えるのは重労働だが、得られる利益は少ない。中国科学院新疆理化技術研究所植物資源化学研究室副研究員の陳艶瑞氏は現地を訪れると、自らの知識を活用し、村民のために7種のウイグル薬(ウイキョウ、ホザキムシャリンドウなど)を栽培し、現地の総合的な収入拡大に取り組んだ。現地に適した品種を選ぶため、5世帯の農家と2年間に渡る試験的な生薬栽培を行っている。

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