2015年08月24日-08月28日
トップ  > 科学技術ニュース>  2015年08月24日-08月28日 >  中国、乳がん診断装置「PET」を国産化

中国、乳がん診断装置「PET」を国産化

2015年08月24日

 中国科学院高エネルギー物理研究所(以下、同研究所)が18日に発表した情報によると、中国初の完全に独自の知的財産権を持つ乳がん診断のポジトロン断層法 (略称はPET)が、国家食品薬品監督管理総局(CFDA)が発行する国家3類医療機器登録証を取得し、市場での販売と臨床使用を認められた。科技日報が伝えた。
 首都医科大学宣武病院PETセンター長の馬雲川氏は、「伝統的な検査では、乳腺の組織構造が変化しなければ乳がんを特定できなかった。これは乳がんの中期・後期だ。今ならば乳がんを特定できる時期を少なくとも半年、さらには1−2年早めることができる」と述べた。同研究所副所長、プロジェクト首席科学者の魏竜氏は、「東洋人女性の特徴に合った乳がん診断専用の環状診断機という優れたデザインを採用し、感度、画像の解像度が高くなっており、乳がんの早期発見能力を大幅に強化できた」と説明した。
PETは腫瘍の「代謝異常」の段階での診断が可能で、これを画像化できる。従来の技術より腫瘍を早く発見でき、早期診断・治療の目的を達成できる。がんの変化の過程において、乳腺の組織の代謝機能の変化は構造の変化よりも早い。ゆえにX線、超音波、CTスキャン、核磁気共鳴などの、乳がんの構造を画像化する検査によって得られる情報よりも、PETによって得られた機能面の情報の方が乳がんの早期診断に適している。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます