2015年10月01日-10月02日
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中国科学技術大学、ハリケーン観測の新たな手段を発見

2015年10月08日

 壊滅的な被害をもたらす天災、ハリケーンにはいかに備えるべきだろうか?中国科学技術大学の研究者は、新しい効果的な方法を発見した。ハリケーンが起こす波は海底で圧力による揺れを起こし、エネルギーを固体地球に伝え、微弱の地震波を生むという。科学者は地震波をキャッチし、震源地を速やかに特定しその強度を測定することで、ハリケーンを効果的かつリアルタイムで観測することができる。人民網が伝えた。
 温聯星氏の研究チームは大気・海洋・固体地球を融合させた物理模型を作成し、地震波を利用して2012年のハリケーン・サンディの中心エリアを追跡することに成功、かつ中心エリアの海面気圧の変動と波の高さを観測した。研究ではまた、従来の衛星観測では観測できなかった、ハリケーンが消えた後の潜在的な災害が発見された。研究結果によると、米ニューイングランド沖でハリケーン・サンディが消えた後も、依然として震源が存在していた。これは、これらの地域で津波のリスクが依然として存在していたことを意味する。
 この研究成果は、地震学がハリケーンを効果的かつリアルタイムで観測する手段になり、ハリケーン内部の動力学の研究に対して中心エリアの気圧変動データをリアルタイムで提供でき、かつハリケーンが消えた後も残る潜在的な災害を観測できることを示した。この研究は、現代地震学の応用に斬新な方向を指し示した。

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