国内外の科学者は19日、「米国科学アカデミー紀要」（最新号）で、ヒトスジシマカのゲノムシーケンシングを完了したと報告した。中国の民間で「花蚊子」と呼ばれるヒトスジシマカは、デング熱の主要媒介の一つだ。新華社が伝えた。
ヒトスジシマカは膨大なゲノム情報を持ち、そのデータ量は2GB弱に達する（1GBは1024MB）。これは今まで知られているうちで最大の蚊のゲノムだ。巨大ゲノムには豊富な遺伝子給源があり、ヒトスジシマカの環境と気候変動への適応、世界各地への拡散、さまざまな病原体の伝播に「遺伝学的基礎」をもたらしている可能性がある。
研究者はヒトスジシマカのゲノムの中から、デング熱ウイルスを含む多くの虫を媒介とするウイルスの挿入配列を発見した。これはヒトスジシマカが多くのウイルスの媒介になる遺伝的基礎である可能性があり、ヒトスジシマカと病原の相互作用のメカニズムを解明する手がかりになった。
ヒトスジシマカとネッタイシマカのゲノムの重複配列を分析したところ、両者のゲノムは7100万年前より分化を開始したことが分かった。ヒトスジシマカとネッタイシマカはいずれもデング熱、チクングニヤ熱などの熱帯伝染病の主要媒介だ。しかしヒトスジシマカはネッタイシマカよりも頻繁に血を吸い、かつ種と種の間の競争力を持つ。前者は全世界で蔓延の傾向を示している。