2015年11月02日-11月06日
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国産大型機、越えるべき3つの関門とは?

2015年11月03日

 中国が独自に開発した大型旅客機C919の機体が、11月2日に完成した。中国人の「大型機の夢」を担うC919が、中国人の前に真の姿を現した。C919は機体完成後、システムの試験という試練を迎える。その後には、初飛行、耐空証明の取得、顧客への交付、運航・メンテナンスが続く。C919が最終的に成功を収めるためには、試験飛行・市場・サービスという3つの関門を突破しなければならない。新華網が伝えた。
◆試験飛行の関門 システム試験の課題
 中国商用飛機有限責任公司の金壮竜董事長(会長)は、「プロジェクト発展段階の計画に基づき、C919は今後さらに配電系統、飛行制御、油圧など各システムの試験、航空機搭載システムの統合試験、全機の静的試験を実施する必要がある。1番機は試験飛行機として、初飛行前にシステム調整、試験飛行の設備・計器の取付などを終えなければならず、2016年に初飛行となる」と説明した。
◆市場の関門 乗客の信頼と人気を勝ち取る
 大型機が成功するか否かは、最終的に売れるかどうかを見なければならない。国産大型旅客機は現在、欧米の同類機種との激しい競争に直面している。中国商用飛機有限責任公司市場部の陳綏寧副部長は、「エアバスの新型A320、ボーイングの新型ボーイング737は、市場における位置づけがC919と重複する。国産大型旅客機は開発の過程において、市場のかつてないほどの圧力に直面した」と話した。
また国産大型旅客機の市場進出に向けた許可証取得も、大きな難関だ。欧米市場に進出する耐空証明がなければ、国産大型機は国外で運航できない。
◆サービスの関門 使用寿命を通じて全面的に顧客の需要を満たす
 販売サービスは常に、中国の民間航空機製造業の大きな弱点だ。世界の民間航空機販売サービスは現在、全使用寿命期間を通じたサービスを提供し、航空機の販売前・販売中・販売後の、行き届いたサービスを提供する。販売前は各種チャネルを使い、交付先に企業と製品について理解してもらう。さらには購入を妨げる問題の解消に力を貸す。販売中には交付先のために機内および地上の人員の育成を担当する。販売後は交付先のため問題を直ちに解消し、航空機の高い稼働率を保証する。
また機種の増加と規模の拡大に伴い、サービスの内容と手段も変える必要がある。週7日間・24時間対応、緊急サービス体制を始めとする、全面的なサービスが必要だ。真っ先に交付先の需要に応じ、これを満たすことで、交付先の緊急時の問題処理の効率を大幅に引き上げる。

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