2015年11月23日-11月27日
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ブラックホール、吸引と同時にジェットを噴出

2015年11月26日

 世界トップクラスの科学誌「ネイチャー」に25日、中国人科学者の重大な発見が掲載された。中国科学院大学天文・宇宙科学学院教授、国家天文台研究員の劉継峰氏が率いるチームは、世界で初めて超ソフトX線から宇宙ジェットを発見した。この発見は天文学会の従来の認識を打破し、ブラックホールの吸収とジェットの形成の新たな手段を明らかにした。ネイチャーは本件を、2015年度の同分野の最も重要な5大発見の一つとした。人民日報が伝えた。
 これまでブラックホールは物質を吸引すると認識されていたが、その過程において時おり外側にジェットを噴出する。劉氏が率いるチームは世界最大の光学望遠鏡である、スペインの口径10mカナリア大望遠鏡と米国の口径10mケック望遠鏡を使い、1000万光年離れた渦状銀河「M81」の超ソフトX線のスペクトル解析を行った。これによって初めて高度にブルーシフトする水素発射線を発見し、同システムに速度が光速の0.2倍に相当する宇宙ジェットが存在することを明らかにした。

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