2015年12月07日-12月11日
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海外の中国医薬研究者、屠呦呦氏のノーベル賞受賞を称賛

2015年12月09日

 イタリア中華医薬学界主席団の執行委員を務める、華人の中国医学医師郭春彪氏は取材に対し、「世界に進出している中国医薬研究者は30万人に達する。屠呦呦氏のノーベル生理学医学賞受賞は、私たちの大きな励ましとなった」と述べた。中国新聞社が伝えた。
 ストックホルム現地時間7日午後、ノーベル生理学医学賞受賞者の屠氏はスウェーデンのカロリンスカ研究所で、「アーテミシニン、伝統的な中国医学の世界への贈り物」と題した講演を行った。中国大陸部の科学者としてノーベル自然科学賞を初受賞した屠氏の講演は、大きな反響を呼んだ。海外の複数の中国医薬研究者は、「中国医薬の研究は最高の時代を迎えるだろう」と表明した。
 屠氏が西洋医学から中国医学に研究内容を変えたことから、「ノーベル賞で中国医学が名誉挽回」という説が叫ばれている。全欧州中医薬学界聯合会主席の董志林氏は、「文化的背景と理論体系の差により、中国医学と西洋医学の考え方、研究方法には大きな違いがある。中国医薬の治療効果、物質的基礎、効果のメカニズムなどは科学によって完全に解析されていない。そのため世界の生命科学の最新の成果を取り入れ、現代科学技術により伝統的な医薬品の研究開発水準を高める必要がある」と指摘した。
 一部の統計データによると、中国を除き、欧州・アジア・アフリカ・アメリカ大陸・大洋州の64カ国が中国医薬研究管理機関を設立しており、2000軒以上に達する。そのうち日米独の中国医薬研究者が多い。
 董氏は、「米テキサス州のバイオ医薬研究所はこのほど、中国医薬から抽出された成分がエボラウイルスの治療に使用できることを発見し、2年後に使用開始される見通しとなった。これは中国医薬の応用の成功例だ。現代科学の手段により中国医薬を発掘し、より安全かつ効果的な世界の新薬を開発・生産することで、世界で主流の市場を占めることができる」と話した。
 郭氏も、「中医薬学は中華民族の文化の精髄、宝だ。アーテミシニンはその最高の証明だ。中華民族の伝統医学は、永遠の価値を持つ。中国医学はすでに世界の最も目立つ舞台に進出しており、全人類の医療・健康事業に積極的に貢献し続けることになる。これは伝統的な中国医学の世界への贈り物だ」と述べた。

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