2015年12月14日-12月18日
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支付宝が顔認証システム導入 うなずくだけでログイン可能

2015年12月18日

 阿里巴巴(アリババ)系の決済サービス「支付宝(アリペイ)」は17日、顔認証ログイン機能のリリースを発表した。ユーザーは顔をスキャンすることで、パスワードを入力しなくとも支付宝にスムーズにログインできる。ただ、同機能は現在のところ、iOS搭載機種と一部のAndroid搭載機種にしか対応していない。京華時報が伝えた。
▽うなずくだけでログイン
 顔認証ログイン機能を使うには、まず機能を開通しなければならない。顔認証機能に対応したモバイル支付宝を立ち上げ、セキュリティ設定を選択、「顔認証ログイン」をオンにし、ガイドに従って十分な明るさの場所で顔の写真を撮る。瞬きする、振り返るなど2つの指定された動作をし、撮影が成功すれば顔認証登録が可能になる。
 機能開通後に一度ログアウトし、再びログインする時はもうパスワードを入力する必要はなく、画面に向かってうなずくだけでログインできる。記者が実際に体験してみたところ、機能開通までの設定には数秒しかかからなかった。
 パスワードや身分証番号など他のやり方と比べると、顔認証登録はスムーズだ。何かの情報を記憶したり、他の物を携帯する必要なく、携帯のカメラに顔を映すだけでよい。
▽認証精度は90%
 顔認証とは、ヒトの顔の特徴データを使って身分を識別する生体認証技術の一種で、主に本人確認に使われる。顔認証技術は現在、金融・司法・公安・医療などの各分野で幅広く応用されている。
 アリババ創業者の馬雲(ジャック ・マー)氏が今年初め、ドイツ・ハノーヴァーで開催されたITの世界最大級見本市「CeBIT」で、 顔認証技術を利用した電子決済サービスを実演して以来、支付宝に同技術が応用されることが期待されていた。今回打ち出された顔認証技術は、アリババ傘下の螞蟻金融服務集団(螞蟻金服)の生体認証技術チームが開発したものだ。同チームはすでに、指紋、掌紋、声紋、顔、筆跡、キーストロークなど様々な認証技術を開発している。責任者の陳継東氏は「生体認証技術がこれまでのパスワード認証に取って代わることは、業界の流れとなっている。顔認証技術は今年7月以降、支付宝の実名認証、パスワード変更、携帯の紐づけ、リスクの高い決済の本人確認といった機能の中で応用されてきた。現在はログインという重要な場面でも使われるようになった」と語る。
 支付宝の関係者は「2週間の試行の結果、顔認証の成功率は90%以上に達している。同機能は年内にも全面的にユーザーに開放される」としていた。

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