2015年12月14日-12月18日
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中国人科学者、煙霧による病気発症のメカニズムを解明

2015年12月18日

 粒子状物質(PM)は、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺がんなどの呼吸器系疾患の発症率と死亡率を高めるとされているが、その発症のメカニズムについては明らかにされていなかった。中国の科学者は長期的な研究を経て、極小粒子状物質が気管支炎や粘液の活発な分泌を引き起こす新たなメカニズムを初めて解明した。新華網が伝えた。
 浙江大学医学院付属第二病院・浙江大学呼吸疾患研究所、呼吸疾患国家重点実験室の研究チームはこのほど、電子顕微鏡による観察により、頭髪の500分の1から100分の1サイズの極小微粒子状物質のみが人体の気道の上皮細胞内に入り、蓄積により黒い粒子を形成し、炎症の反応や粘液の活発な分泌を誘発することを明らかにした。
 「自食作用」という細胞の保護行為により、細胞はこの黒い粒子を自食し、進入した極小粒子状物質や不要なタンパク質などを減らす。しかしこの極小微粒子状物質は大量の無機炭素や重金属といった有毒物質を含み、細胞の自食では減らしがたい。一連の複雑な過程を経て、最終的に気管支炎や粘液の活発な分泌が生じ、慢性呼吸器系疾患などが引き起こされる。

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