2015年12月21日-12月25日
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中国の科学技術の発展、今年の出来事を振り返る

2015年12月24日

 中国の2015年の科学技術界で、最も秀でた人は誰だろうか?私たちはこの1年間で、どのような「神器」を作りだしたのだろうか?科学技術の進歩、科学研究成果の転化を促す、どのような出来事があっただろうか?
◆中国人科学者、ノーベル賞を初受賞
 中国の薬学者、屠呦呦氏はアーテミシニンを発見し、これを治療に用いることでマラリア患者の死亡率を大幅に引き下げた。屠氏はこの貢献により、2015年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。中国人科学者が中国本土で行った科学研究により、自然科学分野でノーベル賞を受賞するのはこれが初となった。
◆劉慈欣の「三体」、ヒューゴー賞を受賞
 中国のSF作家である劉慈欣のSF小説「三体」が8月22日、ヒューゴー賞を受賞した。SF作品は一国の科学の成果、科学研究の実力、革新能力をある程度反映する。一部の高水準のSF作品は往々にして、重要な科学の啓発および伝播の効果を発揮する。科学研究の実力の強化が続き、一般人の科学的素養が同時に向上している中国にとって、「三体」によるSFブームはまさにグッドタイミングと言えよう。「三体」は中国人の「SF元年」を切り開いたとする声もある。
◆大型旅客機C919がラインオフ、ARJ21が納入
 中国が独自に開発した大型旅客機C919が11月2日、組み立てを完了しラインオフした。国産リージョナルジェット旅客機ARJ21の1号機が11月29日、成都航空公司に正式に納入された。中国人の「大型旅客機の夢」は、現実化しようとしている。
 大型旅客機の開発・生産・製造は、一国の航空水準の重要な象徴であり、一国の製造業の実力を計る「ものさし」でもある。中国の実力ある高速鉄道、原子炉の海外輸出などと同じく、大型旅客機は世界の科学技術経済発展の「要所を攻略」しようとする中国の自信を深めた。
◆北斗衛星がサービス拡張に向けて一歩踏み出す
 中国初の次世代北斗衛星が3月、打ち上げに成功した。これにより衛星測位システムの建設が、地域から世界への拡張に向けた第一歩を踏み出した。8月にはセンチメートル級精度のリアルタイムナビゲーションが可能な、軍民両用の北斗衛星チップが開発された。9月には「北斗高精度測位に基づく軍事パレード車両訓練審査システム」により、車両部隊の時間差が0.3秒内になった。11月には中国初の北斗システム用量産型高精度40ナノアプリケーションチップが量産化された。
 「中国の座標」はこの1年間で、技術の進展や応用拡大で重大な進展を実現した。高精度北斗産業が「黄金の時代」を迎えた。
◆宇宙・深海探査に進展
 中国は12月17日8時12分に長征2号ロケットを使い、中国科学衛星シリーズの1号機、暗黒物質粒子探査衛星「悟空」を酒泉衛星発射センターから打ち上げた。「悟空」の打ち上げ成功、軌道上の運航は、中国人科学者の暗黒物質探査における重大な進展を促す。これは中国の宇宙科学分野の革新と発展の促進に対して、重大な意義をつ。
 中国の宇宙・深海探査には、今年も進展があった。9月には中国次世代ロケット1号機の長征6号が、20基の技術実験小型衛星を一度に打ち上げ、中国の同時打ち上げの新記録を樹立した。10月には中国初の水深1万メートル級無人潜水艇「彩虹魚号」が、南中国海で水深4000メートル級の試験に成功し、国産1万メートル級有人潜水艇の研究の重要な礎を築いた。
◆インターネットの光が世界を照らす
 第2回世界インターネット大会が12月に開幕し、世界のIT業界が再び「烏鎮の時間」を迎えた。
 3日の会期中に、約120カ国・地域の約2000人の来賓が烏鎮に集まった。習近平国家主席が基調演説を行い、各国の首脳、重要な国際組織の責任者が式辞を寄せた。22の議題を巡り10のフォーラムが開かれ、「インターネット+」が全面的に議論された。自動運転車、VRカメラ、モバイルオペレーティングシステムなど、インターネットの発展の最新の成果を集めた「インターネットの光博覧会」が、各界から注目された。
 白い壁と黒い瓦が特長的な古鎮がインターネットと出会った。世界は第2回大会でインターネットが発展する中国の物語に耳を傾けた。大会は世界に向け、グローバルインターネットガバナンス体系の変革の推進という中国の理念、サイバー空間運命共同体の共同構築という中国の主張を伝えた。

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