2015年12月28日-12月31日
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復旦大学、新型「人工筋肉」材料を開発

2015年12月30日

 復旦大学ポリマー工学国家重点実験室の彭慧勝教授が率いる研究チームは、新型繊維状人工筋肉材料の開発に成功した。専門家は、「この導電性を持つ人工筋肉材料は、溶剤の反応に対して高い感度と特異的選択性を持つ。工業生産および化学品の保管において、毒性を持つ溶剤の漏えいを探し、警戒するために使用できる」と指摘した。中国科学報が伝えた。
 彭教授のチームは高比表面積の、優れた力学的・電気学的性能を持つカーボンナノチューブを基本ユニットとし、これを幾重もの螺旋状に構築することで、繊維内部に多くのナノ・ミクロンスケールのチューブ構造を作った。この構造により、溶剤を効率的かつスムーズに繊維の内部に浸透させ、繊維を急速に膨張させることができる。この構造を持つカーボンナノチューブ繊維が有機溶剤(エチルアルコールなど)や蒸気に触れると、優れた屈曲・収縮運動が生じる。この繊維状人工筋肉は力強い収縮反応を生む。その強度は人類の10倍に相当し、数十ミリ秒内に完了する。これは従来の高分子高感度材料を3桁上回り、植物界で反応が最も速い植物「ハエトリグサ」の捕食速度を上回るほどだ。

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