2016年01月04日-01月08日
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煙霧と放射線、直接的な関連性はなし

2016年01月12日

 ネット上で再び取り上げられている「放射能煙霧汚染」について、中国環境保護部(省)の原子力安全専門家は、煙霧の形成と放射線の間に直接的な関連性はないと判断した。全国放射線観測データを分析したところ、内蒙古(内モンゴル)の石炭に含まれる天然の放射線量は、全国のその他の地域と同じ水準だった。中国の放射線量には、過去10年間で大きな変化が生じていない。科技日報が伝えた。
 専門家によると、煙霧の原因と形成の過程は複雑で、主に化石燃料の燃焼、工業生産による排出、自動車の排気ガス、都市の粉塵、地理的環境、気候・気象条件などに関わる。石炭の燃焼において、ウランやトリウムの80%以上が燃え滓の中に残る。除塵とろ過により、煙と共に排出される量は燃焼前の含有量の1−2%のみとなる。中国の24省・563の石炭燃焼ボイラーの、天然の石炭に含まれる放射線量の測定・研究結果によると、中国の石炭燃焼発電所が1GWの電力を発電する際に生じる放射線量は、天然の石炭に含まれる量の2.6%で、周辺住民に放射能汚染をもたらすことはない。

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