2016年01月04日-01月08日
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停泊中の時間を利用して船に充電、汚染物質の排出量削減に期待

2016年01月13日

 冬の夕日が洪沢湖の澄み切った湖面に降り注ぐ。100隻以上の貨物船が高良澗閘門前に静かに停泊し、閘門が開くのを待つ。その間、江蘇省連雲港市灌南県の船員、王双喜さん(33)は岸辺を歩きながら、船の充電が終わるのを待っていた。王さんによれば、一度の充電で、5、6日分の生活用の電力を賄えるという。人民日報が伝えた。
 内陸部の河川・湖沼の小型貨物船と比べ、大河と海を航行する大型船の汚染物質排出量は驚異的だ。環境保護当局によると、大型貨物船は停泊後、主に船舶用の重油を燃焼して発電し、冷房・装置・照明を維持するという。この重油の硫黄含有量は、車用のディーゼルオイルの100−3500倍に相当する。江蘇省電力公司は昨年6月から、船舶用給電設備を海・川・湖沿いの港湾・埠頭などに設置、停泊中の船舶にクリーンエネルギーを提供し、省エネ・排出削減を促した。
 船舶の充電にはどのようなメリットがあるのだろうか?王さんは、「以前はディーゼルオイルを燃焼し電力を賄っていたが、1日で100元(1元は約17.95円)以上かかった。今は装置で充電しており、平均すると1日で20−30元のみだ」と話した。江蘇省内で停泊する船が充電システムを利用した場合、二酸化硫黄と窒素酸化物の排出量を毎年それぞれ約1万3000トン以上削減できる。これは江蘇省の2013年の排出量の1.5%と1%に相当する。

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