2016年01月18日-01月22日
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復旦大学、卵子の成熟障害の謎を解明

2016年01月27日

 世界トップレベルの医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」は本日、オリジナル論文という形式により、復旦大学生物医学研究院副研究員、遺伝工学国家重点実験室、遺伝・発育協同革新センターの王磊氏が率いる研究チームの論文「TUBB8遺伝子の突然変異によるヒトの卵子の減少・分裂・遮断」(Mutations in TUBB8 and Human Oocyte Meiotic Arrest)を掲載した。人民網が伝えた。
 1990年代に、世界で次のような例が相次いで報告された。ある不妊女性が補助的な生殖治療を受けたが、いずれも失敗に終わった。彼女たちに共通する特徴は卵成熟障害で、成熟した卵子を得ることができなかった。この臨床上の症状の裏に隠されている遺伝学的要因やメカニズムについては、解明されていなかった。
 今回の研究は初めて、一部の卵成熟障害の患者のメンデル遺伝の特徴を発見した。遺伝学および機能ゲノム学の方法を総合的に活用し、遺伝病の症例、細胞、酵母、ラットおよびヒトの卵子を使い、世界で初めてヒト遺伝子TUBB8の突然変異による卵子の減少・分裂・遮断を発見した。一部の突然変異は患者の父から受け継いだもので、また新たに突然変異が生じるケースもある。この突然変異によりフォールディングに異常が生じ、細胞微小管網の形成を妨げ、酵母微小管の動力学に影響を及ぼし、ラットとヒトの卵子紡錘体の組み合わせを損ね、卵子の成熟を失敗させる。この研究は突然変異による発症のメカニズムを系統的に解析し、突然変異と疾患の因果関係を明らかにした。これは女性の不妊、卵子の減少・分裂、微小管の機能・メカニズムなどに対して、非常に重要な意義を持つ。

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