2016年02月01日-02月05日
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南極のアムンゼン海、中国が観測を実施

2016年02月01日

 中国第32次南極科学観測隊の大洋観測隊は現地時間29−30日、南極のアムンゼン海の観測を行った。中国がアムンゼン海で海洋地質作業を実施するのはこれが初で、得られたデータは中国の同分野の研究の空白を補うことになる。新華網が伝えた。
 科学観測隊員は30日、長さ8メートルの重力柱状サンプラーを水深3822メートルの海底に投入し、海底沈積物に垂直に差し込み、長さ3.82メートルのコアを収集した。隊員はサンプラーの熱流計により、4つの層の地質温度データを取得し、地温勾配を明らかにした。
 海底コアの各種試験・分析は、観測海域の異なる時期(100−1万年前など)の古代環境・気候記録の形成を促す。また同海域の第四紀末期の古代氷河・水塊などの環境・気候の変化に関する主要法則、その世界の気候変動への影響を明らかにすることができる。
 隊員は29日に箱型サンプラーを水深3463メートルの海底に投入し、同海域の沈積物表層のサンプルを収集した。サンプルの粒度・鉱物・元素・同位体・古代微生物・環境磁気学などのデータを調べることで、同海域の海底沈積物の種類および成分を理解し、沈積物の主な移動ルートを分析することができる。
 プロジェクト担当者、国家海洋局第一海洋研究所研究員の劉楽軍氏によると、アムンゼン海は西南極の沿岸に位置し、緯度は70度を超える。深海沈積物の沈積の速度は、低緯度の海域よりも遅いため、数万年さらには十数万年の地質歴史データを留めている可能性があるという。

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