2016年02月08日-02月12日
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中国人科学者、がん標的治療の薬剤耐性のメカニズムを解明

2016年02月15日

 分子標的治療への期待が高まるなか、薬剤耐性という失望させられる難題が浮上している。どうして薬剤耐性がついてしまうのだろうか?中国人科学者は最新の研究によって、発がん標的のもう一つの発がんルートを発見し、標的治療の薬剤耐性の新たなメカニズムを明らかにした。これは標的薬物の研究開発の新たな方針を指し示した。新華社が伝えた。
 分子標的治療はがん細胞の分子を狙い撃ちにするため、「生物ミサイル」と呼ばれている。劉強教授によると、腫瘍生物学の研究によって、複数のタンパク質キナーゼが悪性腫瘍の中で異常に発達することが明らかになっている。これらのキナーゼは、治療の標的になる。この標的向けに多くの標的薬物が開発されている。これらの薬物は主に標的タンパク質のキナーゼの活性を抑制することで、抗がん作用を発揮する。
 劉教授が率いる研究チームは研究によって、標的タンパク質の非依存性キナーゼによる発がんメカニズムを発見した。チームは乳がんをモデルとし、一種の活性型キナーゼのタンパク質の腫瘍における異常な細胞付着により、標的タンパク質キナーゼの生物的特性を強めることで、非依存性キナーゼの発がん作用を生むことを明らかにした。これにより核転写因子となり乳がんの幹細胞の自己更新を促し、キナーゼ抑制剤(標的薬物)に抵抗することで、薬剤耐性をつける。この標的キナーゼの異常な細胞付着を正し、その核転写機能を抑制することで、薬剤耐性を克服できる可能性がある。

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