2016年02月15日-02月19日
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大気汚染対策、「ホットスポット」の管理が重要に

2016年02月25日

 昨年の暖房シーズン以降、大規模かつ深刻な大気汚染が頻発した。24日に開かれた「北京・天津・河北地域の重度汚染対策学術交流会」において、中国環境科学研究院副院長の柴発合氏は、「モニタリングデータと実地調査により、同地域中部に大気重度汚染のホットスポットが存在することが分かった。その抑制に力を注ぎ、正確に汚染を防止すれば、少ない力で大きな効果を得ることができる」と指摘した。科技日報が伝えた。
 ホットスポットとは、重度汚染が頻繁かつ最も早く発生し、その持続時間が最も長く、程度が最も深刻な地点のことだ。柴氏は、「同地域の最も深刻なホットスポットは、保定市の市街地および南東部、石家荘市の北東部、衡水市の北西部、滄州市の西部という、4市が交わる地点だ。北京市の南部、保定市の北東部、廊坊市の市街地という3市が交わる地点にも、ホットスポットが存在する」と述べた。
 汚染源の総合分析結果によると、同地域の今年冬の重度汚染の主な原因は、住民の石炭分散燃焼、工場からの排出、自動車の排ガスの順となった。うち住民の石炭分散燃焼は、北京および周辺地区の重度汚染の最も中心的な汚染源となった。
柴氏は、「住民の集中的な暖房を強化し、石炭の分散燃焼を削減する。工業生産は、暖房シーズンに減産もしくは生産停止し、大気の拡散条件が良好な夏季に生産を拡大するよう調整する。コンクリートや製鉄などの産業は、すでにこのような調整を始めている」と提案した。
 中国工程院院士、清華大学教授の賀克斌氏は、「中国の既存の環境管理体制は、汚染源の識別範囲が非常に限定的で、道路以外を通過する数億台の車両、数百万トンの溶剤の使用源などは、大気汚染源の統計範囲に収められていない。PM2.5の汚染源の分析を進めるほか、大気立体観測技術プラットフォーム、汚染源からの排出削減、地域間の調整技術などの強化が必要だ」と指摘した。

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