2016年03月01日-03月04日
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錦屏大深度天体核物理実験室、稼働を開始

2016年03月03日

 中国原子能科学研究院が発表した情報によると、錦屏大深度天体核物理実験室(JUNA)が、四川省西昌市の中国錦屏地下実験室(CJPL)で正式に稼働した。プロジェクト担当者で、同院副院長の柳衛平氏は現場で、「プロジェクト稼働後、天体核物理学の最重要課題に取り組み、大質量恒星の変化と元素の期限を理解する新たなデータを提供する」と表明した。科技日報が伝えた。
 CJPLは世界最深の地下実験室で、2400メートルの岩盤下に位置する。宇宙線量を地上の1000万分の1から1億分の1に下げることができる。また洞窟内の岩から発せられる、天然放射性も極端に低い。これは暗黒物質の探査、天体核物理、ニュートリノの実験など、重大な基礎的先進課題の研究に理想的な環境を提供する。中国は同実験室の建設を国家重点研究開発計画に組み入れている。中国は2014年、錦屏実験室2期(CJPL-Ⅱ)の拡張工事を開始した。実験室の空間は、4000立方メートルから30万立方メートルに拡大した。実験室は竣工後、世界最大の地下実験室になる。さまざまな大深度科学実験を同時進行でき、世界に向け開放される国家級基礎研究プラットフォームに発展する見通しだ。
 錦屏1期実験室は2011年から、暗黒物質に関連する研究を行っている。同プロジェクトの稼働は、CJPL-Ⅱが正式に多学科の研究を実施することを意味する。

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