2016年03月21日-03月25日
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天気予報、その方法とは?

2016年03月23日

 科学技術水準の向上に伴い、天気予報の的中率が上がり、重要な気象参考データを提供している。ところで、天気予報はどのようにして導き出されるのだろうか?科技日報が伝えた。
◆天気のリズム
 気象専門家の楊秋明氏は、「現代の天気予報は、天気図の誕生から始まる。世界初の天気図は、1820年に誕生した。天気図の分析により、天気予報の方法と技術が豊富化された。気象観測所の数の増加に伴い、天気図のカバー範囲が拡大した。中国の気象観測所は2500カ所以上に達し、描き出される天気図が実際の大気の運動に近くなった。これに衛星リモートセンシング技術の応用を加えることで、各種資料間の比較対照、分類、クラスタリング、法則の発見が可能になる。こうして天気図の予報の的中率が徐々に上昇した」と説明した。
◆気象予報士に代わる気象データ
 楊氏は、「1960年代より、コンピュータの計算能力の向上に伴い、気象データに基づく天気予報の期限が、10年ごとに1日のペースで延びている。この過程において、気象データに基づく天気予報は、気象予報士による予報の水準を上回り、かつ20世紀末に各時間帯の気象予報の主な根拠になった」と述べた。
 楊氏によると、中国のデータに基づく天気予報は、世界先進水準に近づきつつある。中国が2015年に独自に開発したGRAPES世界データ予報システムは、実用化運行能力をつけており、モデルに基づく計算の安定性、質の恒久性を著しく改善し、10日先までの世界の気象・降水状況の予報が可能になった。
◆2週間以上の予報に不確定性が存在
 しかし天気・気象データ予報モデルには、さまざまな不確定性が存在する。世界的なデータモデルを見ると、2週間以上の予報には大きな誤差がある。この不確定性、大気の混沌たる本質、複雑な影響については、今後の研究が待たれるという。
衛星リモートセンシングなどさまざまな観測手段の進歩により、気象観測で得られる各種データはこの10年間で急増した。これらの科学のビッグデータは、複雑な自然現象とその関係を反映・象徴している。大量のデータから一部の有効なデータを抽出することで、過去のサンプリング分析よりも全面的な天気・気象変化と関連する低頻度の変化に関する情報が得られる。楊氏は、「これらの観測資料を分解・変換し、分類し役立つ部分を抜き出し重要なデータを得ることで、これを多様な動的データの変化の過程における一連のデータと見ることができる。つまり予報の的中率が高いシンプルなデータモデルを導き出すことで、計算の誤差を大幅に下げることができる」と述べた。

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