2016年04月01日-04月01日
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微小重力実験衛星「実践10号」、科学実験の内容は?

2016年04月06日

 中国初の微小重力科学実験衛星、帰還型科学実験衛星「実践10号」が6日午前1時38分、宇宙に打ち上げられた。衛星の設計上の使用寿命は15日で、中国の成熟した帰還型衛星技術を用い、計画に基づき地球に帰還する。同衛星は軌道上で、宇宙の微小重力などの特殊環境を利用し、19の科学実験を実施する。北京日報が伝えた。
◆19の宇宙科学実験
 同衛星は宇宙科学先導特別プロジェクトの第1陣となる科学実験衛星のうち、唯一の帰還型衛星だ。宇宙の微小重力などの特殊環境を利用し、微小重力流体物理、微小重力燃焼、宇宙材料科学、宇宙放射線効果、重力生物効果、宇宙生物技術の6大分野・19件の科学実験を主な目的とする。主に微小重力条件・放射条件下の物質の運動および生命活動の法則の研究と解明に取り組む。19件のうち、10件が微小重力科学実験、9件が宇宙生命科学実験となる。8件の流体物理・燃焼実験は軌道滞在モジュール内で実施され、その他の11件の科学実験は帰還モジュール内で実施される。
◆軌道上でマウスの胚胎を育成
 カイコの発育への宇宙環境の影響および突然変異のメカニズムに関する研究・実験では、軌道上でカイコを育て、カイコの発育・遺伝子・タンパク質表現などを研究する。宇宙環境におけるカイコの突然変異の頻度とメカニズム、行為の変化の程度を理論的に解明する。
 微小重力条件下の哺乳類の早期胚の発育に関する研究・実験は、マウスの早期胚を研究対象とし、軌道上で育てる。宇宙環境における哺乳類の早期胚の成長と発育への影響を研究することで、宇宙環境条件下の動物の早期生命活動法則を解明し、未来の宇宙長期飛行における人類生殖機能の発育の健康に対して、科学的な根拠をもたらす。

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