2016年04月01日-04月01日
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カエルの求愛の性的信号、進化のメカニズムが解明

2016年04月08日

 動物界において、オスは求愛時に複雑な性的信号を出す(カエルや鳥の鳴き声など)。中国人科学者の最新の研究によると、メスの性的信号に対する識別能力は、動物性信号の複雑性の進化を促す原動力の一つであることが分かった。新華社が伝えた。
 中国科学院成都生物研究所研究員の崔建国氏らによるこの研究成果は、米国でこのほど出版された学術誌に掲載された。研究結果によると、動物性信号は進化の際に、ウェーバーの法則の制限を受けない。
 ウェーバーの法則によると、刺激の力の差が一定の比率に達しなければ、差の感覚が生まれることはない。カエルの一種「Rana dauchina」を例とすると、メスは鳴き声の音節が多いオスを選びたがる。メスの選択という圧力を受け、オスの鳴き声の音節が増加した。しかし一定の程度まで達すると、ウェーバーの法則による制限を受け、メスが音節の差を区別しにくくなる。
 崔氏が率いる研究チームは研究により、Rana dauchinaが音節間の音程を高くするという特徴を利用し、ウェーバーの法則を克服し、メスの鳴き声の音節に対する識別能力を高めたことを発見した。
 実験結果によると、メスのRana dauchinaの性的信号を区別する能力により、オスの鳴き声は単一モデル(音節を増やす)から複数モデルの信号(音節を増やすと同時に、音節間の音程を高める)に進化した。メスの信号を区別する能力の制限により、オスの鳴き声の進化は、長さから複雑さへと変わった。

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