2016年05月09日-05月13日
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四川省瀘州市 世界クラスの恐竜の足跡群、新種の鳥脚類が発見

2016年05月11日

 中国地質大学(北京)、自貢恐竜博物館(四川)、米コロラド大学(デンバー)、スイスのバーゼル自然史博物館による恐竜足跡共同研究チームは、四川省瀘州市古藺県桂花郷石廟溝地域で大規模な恐竜の足跡群を発見したと発表した。これは白亜紀初期の恐竜の分布・進化・行為などの研究に対して、非常に重要な古生物学的意義を持つ。
 研究を担当する中国地質大学の邢立達氏は取材に対し、「石廟溝の足跡は非情に珍しく、多様性に富んでいる。周囲からは竜脚類、鳥脚類、3本指の獣脚類の足跡の他に、珍しいドロマエオサウルス科や翼竜類の足跡が見つかった。これは白亜紀初期に、現地で恐竜が繁栄していたことを示す」と説明した。
 調査隊はこのほか石廟溝で、新しい鳥脚類の足跡を発見した。「非常に変わったように見え、かわいらしい。まるで猫や犬の足跡のようだ。この足跡の長さは約30センチで、3本の指と丸々とした踵の計4つのパートに分かれている。この足跡は鳥脚類が残したもので、新種との鑑定結果を出した」と、邢氏は手にした模型を使い説明した。
 調査隊の専門家は、有名SF作家、ヒューゴー賞受賞者の劉慈欣氏による、科学知識の一般普及への多大なる貢献に敬意を表するため、この新種を「劉慈欣鳥脚類足跡」と名付けた。
 2014年から現在までに、古藺県桂花郷の3カ所(石鳳窩、石廟溝、桂花河のほとり)で広い範囲の足跡が見つかっている。この3カ所間は約3キロ離れており、三角形を呈している。3カ所では、さまざまな恐竜の足跡が見つかっており、石鳳窩には東アジア最長の獣脚類の足跡が、石廟溝には鳥脚類の新種の足跡が、そして桂花河のほとりにはアジア最大のデイノニコサウルス類の足跡がある。

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