2016年06月01日-06月03日
トップ  > 科学技術ニュース>  2016年06月01日-06月03日 >  全国科学技術革新大会、海外でもホットな話題に

全国科学技術革新大会、海外でもホットな話題に

2016年06月01日

 このほど閉幕した全国科学技術革新大会は国内外で大反響を呼んだ。外国人の注目が再び中国に集まり、各国からは、「盛大な全国科学技術革新大会の開催は革新駆動戦略をさらに推進し、中国経済の競争力の強化、発展のモデルチェンジに貢献するだろう」との声が寄せられている。科技日報が伝えた。
◆米国 科学技術革新、国家戦略を力強く推進
 本部をワシントンDCに置く中国環境国際基金(IFCE)は、中国の環境保護とグリーン発展事業に長期的に取り組んできた。同基金の何平総裁は取材に対し、全国科学技術革新大会の見どころについて次のように述べた。
 中国の最高指導者は科学技術革新を重視しており、戦略的な見地から科学技術革新をより重要な位置に据えている。これは国家革新戦略の任務実施を力強く推進し、かつ中国の科学技術革新に存在する問題(合理的な革新体制の構築、個人と民間零細企業の革新力の発揮など)の解決を早めるだろう。
◆カナダ 科学技術革新、革新的な人材にとっても朗報に
 カナダ工学アカデミー会員、ロボット・自動化研究専門家の張丹教授は、「中国の多くの産業はアップグレードと更新を必要としている。科学技術革新は、モデルチェンジ成功の鍵だ。全国科学技術革新大会は、全国大学の学術的革新力と科学技術ソフトパワーを全面的に強化する。学科の長所の強化、一流の研究拠点の建設、優秀人材の育成を促し、科学技術革新の潜在力を引き出す」と指摘した。
 カナダ・中国科学技術連盟共同主席、カナダ華人ITベテラン協会常務理事の管煉氏は、「習近平国家主席は談話の中で、科学技術者チームの結成に多く触れた。これは帰国後の就業を検討している海外の科学技術者にとっても朗報だ」と話した。
◆イスラエル 国際協力は革新的発展の重要な手段
 中国・イスラエルの革新をめぐる協力を推進し、その歴史を見守ってきた元イスラエル経済省チーフサイエンティストのハッスン氏は、「中国が迎える科学技術革命」と題するブログ記事の中で、「国際協力は中国が革新的発展を実現する重要な手段だ。中国はイスラエルなど、革新型国家との協力を強化し、目標を実現しようとしている。両国の過去数年間に渡る研究開発協力プロジェクト、革新技術をめぐる戦略的な投資、M&Aには、喜ばしい成長があった。中国など革新主力国との協力を続け、世界をより素晴らしい場所にしていきたい」と記した。
◆日本 留学生の科学技術協力への貢献に期待
 日本政府の科学技術政策の制定を担当する、文部科学省官房審議官の松尾泰樹氏は取材に応じ、「中国の科学技術水準は近年、急速に向上しており、大学ランキング、論文数、論文被引用回数など、科学技術の進歩の度合いを示す指標がすべて上昇している。大学ランキングや論文被引用回数などの基準はさらなる改善が待たれるが、中国の科学技術力は確かに強化されている。これは国際共同研究によっても裏付けられている。中国の学生は欧米留学に熱心で、これらの留学人材は科学技術研究水準の向上に大きく寄与している」と述べた。
 松尾氏は、「日本が得意とする分野、中国が得意とする分野で相互協力し、環境・食糧・エネルギーなど世界的な課題に取り組むべきだ。両国は今後、成熟した協力・互恵関係と相互補完関係を構築する必要があるため、両国の国情を理解する留学生のさらなる努力が必要となってくる」と指摘した。
◆ロシア 中国の科学技術革新の目標と成果に注目
 イタルタス通信は全国科学技術革新大会を詳細に伝え、習主席が提起した「2020年までにわが国を革新型国家に仲間入りさせ、2030年までにわが国を革新型国家の先頭集団入りさせ、新中国成立100周年にわが国を世界の科学技術強国にする」という科学技術革新発展目標、李克強総理による「科学研究者により多くの自由を与え、科学技術への財政支援を拡大する」という提案に興味を示した。
◆ブラジル 自主革新、中国経済に予想以上の貢献
 サンパウロ州革新支援基金会のフェルナンド理事は、取材に対し、「中国の科学技術研究開発費は、2022年に米国を抜き世界一になる。科学技術革新は、研究所の実験室内に留まるべきではない。政府による大衆創業、万衆創新(大衆による起業・革新)の指導・支持に伴い、中国国内で潜在力と特色を持つソーシャル・イノベーション・プラットフォームが現れ、中国経済に新たな活力をもたらす。これは新たな科学技術革命と産業変革に対応する効果的な手段だ。中国の労働生産性の改善に対する自主革新の貢献は、私の予想を上回っている」と語った。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます