2016年07月11日-07月15日
トップ  > 科学技術ニュース>  2016年07月11日-07月15日 >  北極における海氷の減少が中国の冬の気温と降水量に影響

北極における海氷の減少が中国の冬の気温と降水量に影響

2016年07月21日

 海氷の減少は近年、北極の気候変動が人々に与えている最も直接的に感じる印象だ。そしてこれは私たちの生活にも着実に影響を及ぼしている。中国第7次北極科学観測隊首席科学者補佐の雷瑞波氏はインタビューで、北極の海氷の減少は、中国の冬の気温や降水状況と密接に関連していると述べた。新華社が伝えた。
 雷氏によると、北極の海氷の減少は地球温暖化によるものだ。しかし中国にとってこの現象で冬の極端な冷え込みと「厳冬」が増えることになる。これは北極の気温の変化により、北半球の偏西風帯の風力が弱まり、偏西風帯が高緯度地域の寒波を遮る力が弱くなるからだ。この「障壁」を失うことで、シベリアの寒波の南下が頻繁になり、中国の冬がいっそう寒くなる。
 北極の海氷はまた、中国の冬の降水とも密接に関連している。研究データによると、北極の海氷の減少に伴い、中国南方と北方の冬の降水増が顕著になる。2007年に北極の海氷の面積が過去最低規模になった結果、中国南方で大規模なみぞれによる災害が発生したのだ。
 今年の北極の海氷面積は、過去最低となる見通しだ。雷氏は、「これにより、将来的には中国南部と北部の冬の降水量が増加し、中部の冬の降水量が減少する状況がさらに続くことになる。また、南方ではみぞれが降る可能性が高くなる」と述べた。

※掲載された記事、写真の無断転載を禁じます