2016年07月18日-07月22日
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国際協力が欠かせない北極科学観測

2016年07月27日

 フランスの気候学者は、北極は実験室と似ており、人々はそこで気候変動による影響を直接観測できると述べた。しかし人類は現在も、北極のこの機能を活用できていない。中国科学報が伝えた。
 南極大陸という「主なき土地」と比べ、北極は8ヶ国に囲まれている。中国第7次北極科学観測隊首席科学者で中国極地研究センター副主任の李院生氏は「このような状況においては、国際協力を必ず展開しなければならない。二国間もしくは多国間協力により、北極環境の急速な変動のメカニズム、その進捗と影響に関する認識を深める必要がある」と話した。
 中国の北極科学観測はこれまで、幅広い国際協力を行ってきた。2004年にはノルウェー・スヴァールバル諸島に中国初の北極科学観測基地「黄河基地」を設置し、その後さらに亜北極のアイスランドに、中国・アイスランドオーロラ共同観測台を設置した。また、中国は先ごろグリーンランドと、北極科学研究の共同推進に関する覚書に調印した。
 国家海洋局極地観測弁公室副主任、中国第7次北極科学観測隊長の夏立民氏は、「中国の北極科学観測には多くの外国人科学者を招いている。今年は海洋・気候・生物などの実務レベルの協力を展開するため、米国とフランスの科学者を招いた。第1次北極観測には7人の外国人科学者が参加し、その時は流氷に参加国の国旗を一列に立てた」と当時を振り返った。
 夏氏はまた「同時に中国の科学者も外国の観測隊に加わり、他国の観測船に乗船し調査を実施している」と付け加えた。

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