2016年08月15日-08月19日
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中国の「インターネット+」、オンライン決済に驚嘆する外国人

2016年08月16日

 上海のファーストフード店で、中国の友人と夕食を共にしたオマーン人のアリさんは、奇妙な現象に気づいた。食事が終わると、友人たちはそのまま立ち去り、料金を支払う人がいなかったのだ。「まさか中国では食事にお金を支払わないのだろうか、と思った。その後私は、誰かがスマホで支払っていたことを知った」と、アリさんは当時の心境を語った。人民日報海外版が伝えた。
 最近、訪中の外国人が新鮮味を感じ憧れるのは、中国の自然景観と伝統文化だけではなく、インターネットの予想外の革新だ。ある外国の友人は筆者のインタビューに応じた際に、中国に来る前に、まず「中国語、中国文化、携帯アプリ」を理解しなければならないと冗談を言った。
◆微信と支付宝のオンライン決済機能に驚き
 アリさんはビジネスマンで、中国企業と事業提携中だ。すでに中国で半年近く生活している彼も、外出時にほとんど現金とカードを持たなくなり、微信(Wechat)の電子お年玉にも夢中になっている。「スマホで二次元コードをスキャンするだけで決済できるとは、実に便利だ。微信支付と支付宝(いずれもオンライン決済サービス)には驚きだ」と語るアリさん。
 アリさんが好むオンライン決済は、海外メディアによる中国関連記事の焦点となっている。独商業経済紙「ハンデルスブラット」は「ドイツではスマホが近い将来、現金を無駄なものに変えるが、これは中国ですでに現実化されている。オンライン決済で、中国は世界に先駆けている。中国のモバイル決済市場は2016年に、10兆元を突破すると見られる」と報じた。
 マレーシア出身の李祖毅さんは中国文化、特に中国語の歌を好み、「網易雲音楽」というアプリに夢中になっている。「これがあれば多くの中国語の歌を検索でき、同時にネットユーザーのコメントを見ることができる。一部のコメントは実に興味深い。私が最も満足しているのは、カスタマーサービスの態度だ。何か問題があると直接フィードバックすれば、毎回とても丁寧に対応し、解決してくれる。その他の音楽系アプリでは、これほどのサービスができない」と語った。
 中国インターネット情報センターが3日発表した「中国インターネット発展状況統計報告書」によると、タクシー配車、ネットライブ配信、インターネット音楽配信、旅行の予約といったアプリが急速に発展している。
◆帰国後、アプリ離れの生活は不慣れに
 ミシュランさんとアサモラさんは「帰国後、携帯アプリのない生活になかなか慣れなかった」と感想を漏らしている。
 ミシュランさんは太平洋の島国・サモア出身で、中国に来てもう3年になる。彼女のスマホには、複数のデリバリーアプリがダウンロードされている。「中国ではよく美団とElemeなどオンラインフードデリバリープラットフォームをよく使っている。そこにはさまざまな店と料理の種類があり、注文すればすぐ配達してくれる。休みで帰国すると、デリバリーアプリがなく不便だと感じた」と語るミシュランさん。
 アルゼンチン出身のアサモラさんは、上海外国語大学の交換留学生だ。「私は滴滴打車(タクシー配車アプリ)を利用するようになってからは、手を上げてタクシーを停めたくないと思うようになった。アルゼンチンでは配車アプリが始まったばかりで、普及率は高くない」
 李祖毅さんはミシュランさんやアサモラさんよりも運がいい。帰国した後も、中国のアプリを使用できるからだ。
 李祖毅さんは2ヶ月前、湖南省長沙市で湖南省の文化を体験するイベントに参加した。中国の漢服を体験した後、自分用に買って帰国しようと考えた。しかし漢服を売っている実店舗は少なく、中国の友人から淘宝網(ネット通販サイト)を推薦された。「淘宝網で購入できた。値段は高くなく、しかも送料無料だった」という。
 淘宝網の商品は、国際物流により海外に発送できる。 李さんは帰国後も、よく淘宝網で商品を購入しているという。彼は「以前、マレーシアではよくeBayを利用していたが、eBayの商品は淘宝網ほど安くないことを知ってからは淘宝網を利用することにしている」と語った。

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