2016年09月01日-09月02日
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データで見る中国初の1万メートル級水中ロボット

2016年09月01日

 中国科学院瀋陽自動化研究所が開発した水中ロボット「海斗」が、中国初の1万メートル級深淵科学観測航海で初めて活用され、中国の水中ロボットとしては最大の潜水・作業水深記録を樹立した。「海斗」にはどのようなコア技術があるのだろうか?海上試験はどのようにして行われたのだろうか?同研究所の所長補佐、水中ロボット研究室長の李碩氏と副研究員の唐元貴氏が取材に応じ、「海斗」に関する重要なデータを紹介してくれた。新華網が伝えた。
 「海斗」は長さ85センチ、幅40センチ、高さ120センチで、重さは260キロ。オレンジと黄色の中間色の塗装により、楕円形の「海斗」は見た感じはまるで一粒のカプセル剤のようだ。
 今回の潜水で、「海斗」は9000メートル級(9827メートルと9740メートル)、1万メートル級(1万310メートルと1万767メートル)の深淵垂直断面の水温・塩分・水深データをそれぞれ2本ずつ入手した。深淵の水塊の特徴の空間的変化の法則、深淵底層の海流構造の研究、および1万メートル級有人・無人潜水艇の設計に貴重な基礎的資料をもたらした。
 「海斗」は52日の科学観測で計7回潜水し、うち5回は水深8000メートル以上の深淵における科学調査だった。
 「海斗」は1万メートル級の潜水を実現したが、全システムが約110メガパスカルの水圧に耐えなければならない。これは外側の浮力材、密封された船内の部品、動力・水深システムにとって過酷な試練となった。
「海斗」は7月28日の7回目の潜水作業で、1万メートル級の深淵の海底で固定探査を行うという目標実現を目指した。最終的に海底で52分の固定探査を実現し、最大潜水深度は1万767メートルに達した。また指定海域の水深情報を、海底に固定した状態で測量し検証した。8時間以上の深淵潜水作業により、「海斗」は予定されていた時間に浮上し、無事回収された。

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